第3位『あかね噺』(既刊4巻)

書店員のおすすめコメント
計算し尽くされた話作り、圧倒的作画力! 古典落語への解説もわかりやすく、あっという間に読み進めてしまう。かと思えば第1話から読み返したくなる展開、しかも話の見え方がまるで変わってくる……すごい!!

あらすじ
幼い頃、父の魔法の様な落語に魅せられた朱音は、父のある一席を機に自身も噺家としての道を歩み始める。17歳になった朱音が目指すのは落語界の最高位「真打」になること──。一流の技量を習得するため、様々な試練が朱音を待ち受け…!?

(集英社 少年ジャンプ公式サイト『あかね噺(1)』より)

2022年2月から『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載中の『あかね噺』が第3位となりました。
落語家・林家けい木さんが監修を担当している本格落語漫画ですが、「落語をあまり知らなくても、老若男女楽しめる」「伝統芸能を主題としながらも、ジャンプらしく勢いある展開でするすると読ませてくれる」と、丁寧な落語描写とテンポの良いストーリー展開が書店員からも支持されています。

また第1巻の発売記念としてYouTubeに公開されたボイスコミックでは、落語家志望の主人公・朱音役を山口茜さん、朱音の父で落語家でもあった徹役を茜さんの実父でもある声優の山口勝平さんが演じた「親子共演」が話題となりました。

第2位『黄泉のツガイ』(既刊2巻)

書店員のおすすめコメント
最初からノンストップの展開に、ページをめくる手が止まらない! ストーリーの魅力、キャラクターの魅力、設定の魅力、どれをとっても今年一番です。

あらすじ
山奥の小さな村落で暮らす少年のユルは、野鳥を狩り、大自然の中で静かに暮らしていた。しかしユルの双子の妹のアサは、何故か村の奥にある牢の中で「おつとめ」を果たしているという。それはまるで幽閉されているかのように……。穏やかな村に浮かぶ不自然な謎、この村に隠された秘密とは一体……!?

(スクウェア・エニックス『黄泉のツガイ(1)』より)

『鋼の錬金術師』や『銀の匙 Silver Spoon』の作者・荒川弘さんによる『黄泉のツガイ』が第2位にランクイン!
作り込まれたストーリーに引き込まれる書店員も多く、「予測不能な展開に釘付けになります」「シリアス、アクション、コメディ……安定の面白さ!」「王道をふまえつつも王道には収まらない、さすが荒川弘先生」といったコメントが届いています。

「ツガイ」をキーワードに謎がたくさん散りばめられた本作。
これからどのように伏線が回収されていくのか、目が離せませんね! 

第1位『ルリドラゴン』(既刊1巻)

書店員のおすすめコメント
ある朝頭にツノが生えていた。ドラゴンと人間のハーフという衝撃の事実。ファンタジーかと思いきやゆるゆるな女子高生の日常コメディ。色々ゆるく受け止めてしまう主人公やクラスメイトにクスッときます。

あらすじ
高校生の青木ルリは、ある朝目覚めると突然頭にツノが生えていた! 実は父親が龍だから遺伝かも? と母に言われたルリは戸惑いながらも、とりあえず学校へ……。見慣れないツノに興味津々なクラスメイト達に加えさらにもう一つのドラゴン体質が明らかに!? いつもの毎日にちょっとした異変──。ドラゴンガール・ルリの日常がゆるっと始まる。

(集英社 少年ジャンプ公式サイト『ルリドラゴン(1)』より)

第1位に輝いたのは、眞藤雅興さんの『ルリドラゴン』でした。
当初は読み切り作品として掲載されながら、YouTubeに公開されたボイスコミックが累計で200万回も再生されるなどSNSを中心に話題を集めた結果、2022年6月から『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載が開始された本作。

「ある日突然ツノが生えた!?」「お父さんは龍!?」と出だしから怒涛の展開ですが、主人公や家族、友人たちがあっさりと受け入れる様子に、投票した書店員からは「多様性をするりと受け入れる暖かな物語。分かりあえなくとも、互いに理解し続ける描写が胸を打つ、新たな日常マンガのスタンダードです」「主人公の悩みを登場人物の優しさが包む、ゆるく優しい日常系漫画」といった声が寄せられています。

今回はアクションやコメディ、恋愛にホラーと、さまざまなジャンルの作品がランクインしました。
また、Web発の作品がTOP3を占めていた前回と比較すると、今回は雑誌掲載作品が上位に入賞していることも対照的でした。

雑誌とWebが、互いに影響し合ってより素敵な作品と出合える環境になってきたのではないでしょうか。
今回のランキング入賞作品はもちろんのこと、これからの話題作も見逃せません!

※本記事は「ほんのひきだし」に2023年2月2日に掲載されたものです。
※各タイトルの既刊情報を含む記事の内容は、執筆時点のものです。