今日も頑張ったあなたを労わるとっておきの「夜食」をどうぞ
おいしいものが大好きな作家陣が、夜に織りなす極上の人間ドラマを描く、心とお腹が温かく満たされる短篇集。
<作品紹介>
▶定時退社して、とある駅の改札前に陣取った陽茉莉。脳裏によぎるのは、待ち人である憲吾との思い出の数々だ。小学校の同窓生だった彼とは大学で再会するもすぐ疎遠に。社会人になって偶然連絡を取り合い、恋人同士になったのだが……。
――標野凪「バター多めチーズ入りふわふわスクランブルエッグ」
▶終電を逃したすず音が、謎めいた女性に誘われてたどり着いたいっぷう変わった場所「うしみつ屋」。秘密の合言葉を告げた先には、思わぬ世界が広がっていた――。
――冬森灯「ひめくり小鍋」
▶ある事情から不眠がちの勝を、深夜、大学の同級生・昇一がラーメンを食べようと誘いに来た。「二人で罪悪感を分け合うんだ」
昇一のお目当ての店に向かう途中、二人の身近で起きた事件の現場を通りかかり……。
――友井羊「深夜に二人で背脂ラーメンを」
▶那須高原にある小さなペンション「ペンション・ワケアッテ」。傷心旅行で明美が訪れたそこは、ちょっと変わったオーナー夫婦が営む、いわくつきと噂の宿だった。
――八木沢里志「ペンション・ワケアッテの夜食」
▶古い友人たちと真夜中のファミレスに集っておしゃべりをする「夜食会」を定期的に催している私。アラフィフにもなれば、バツがついた人、熟年結婚する人、子どもとの関係に悩む人、ずっとシングルで来た人さまざまだ。気のおけないおしゃべりは、意外な展開を見せ――。
――大沼紀子「夜の言い分。」
▶食に厳しい母に育てられた料理研究家の秀美は、インスタントの激辛キムチラーメンが食べたいと言い出せない。そのストレスが次第に溜まっていき――。
――近藤史恵「正しくないラーメン」
ポプラ社
792円(税込)
2024年7月3日 発売
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P262 文庫
ISBN 9784591182260