●温泉大好き人間
長岡信也 <コピーライター カメラマン>
伊藤博美 <フリーアナウンサー 温泉ソムリエ>
進行役/編集部
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温泉が好きになるまで
編集部 まず初めに、温泉が好きな理由ということからお話し頂ければと思うのですが・・・。
長岡 はい、私のほうから伊藤さんのほうに聞きたいことがあるんですけど。
伊藤 えーっ。なんでしょう。
長岡 伊藤さんってもともと東根生まれなんですか。
伊藤 生まれも育ちもそうです。
長岡 温泉が好きになった理由を考えてみると、私なんかは全然生まれ故郷とは関係ないんですけど。
伊藤 どうして?山形ですよね。
長岡 山形だけど、でも生まれたところは温泉場でないわけだ。
伊藤 ああ、そうか。
長岡 東根に生まれ育ったというのが、温泉を好きになるきっかけだったりするんですか、それとも?
伊藤 もともとは、2010年から2013年まで担当していたFM山形での生放送の番組があって、今までの番組は、タイトルや中身やコンセプトが決まっている番組のパーソナリティーとして、「お願いします」っていう感じだったんです。
でも、直接のきっかけになった番組は、女性向けというのだけ決まっていて、企画も内容はそのスタッフさんと一緒に考えて友だちとかにアンケート取ったんです。三、四十代で。「なんか女性向けの情報ってどういうのあったらいい?」みたいな、「やっぱ温泉とか〜」みたいなで、「でも泊まるの難しいから日帰りとかで」「ああそうなんだよね。山形全部あるし」っていうので「日帰り温泉35」っていうコーナーをやっていたのがきっかけですよね。
で、週一の放送で山形県内の温泉紹介だったのでもうけっこうまとめて録ったりとか、毎週取材に行ったりしてて、はまって行ったって感じかな。
で、回っていた中で、同じナトリウム塩化物泉とかいう、泉質が同じなのに、なんで色があったりなかったり、匂いあったりなかったり、つるつるしたりとか、違いがあるのかなっていうのがきっかけで興味持って、温泉でばあちゃんたちに話聞いたりとかで、何か温泉場に行っている人とのコミュニケーションみたいなのも、すごい楽しくていいなっていうのが、直接的なきっかけだとは思うんですよ。
ただ、そうやって回っている中で、そういえば私って、何か子供のころとか、ばあちゃん生きてたときとか、ちょいちょい一緒に行ってて。東根温泉すごい、ご存じのように熱いんですけど。
長岡 そうですよね。しかも日帰りっていうか、公共湯がいっぱいあるしね。街なかに。
伊藤 そうです。今はもうなくなっちゃった公衆浴場とかもあるんですけど。私の子供の頃とかは、「巽の湯」も以前は別の場所にあったので、ばあちゃんに連れられて入りに行って、「熱い、熱い」って言いながら、何かチャポチャポしながら遊んでいました。同じ頃、海老鶴温泉にも連れて行ってもらっていました。
だから、あの頃から温泉にいる時間がすごく好きだったなというのがあります。ふっと子供の頃を思い出したりして・・・。
長岡 自分で好んでいろんな温泉に入りに行ったりはしていなかったの?
伊藤 東根温泉は近いし、当時は地元で満足でした。その後、泊まりに行って入った温泉では新高湯温泉とかがすごく良かったという印象があります。もっと皆に知ってもらいたい温泉です。
温泉って何でこんな素晴らしいんだろうって思いました。
いま三十四市町村になったけれど、つい最近までは山形県内三十五の全市町村に温泉があって、(*2017年12月に新庄市の奥羽金沢温泉が閉鎖)実際回ってみて素晴らしさを実感して好きになったのだと思います。だからまだ行っていない県外の温泉とかはこれからの楽しみかな。
長岡 僕も県外はあんまり分からない。小さい頃に、何か皮膚が弱かったらしんですよ。卵か何かを食べるとぶつぶつが出るみたいなので、とにかく蔵王温泉にだけは連れて行かれたんですよ。だからもう温泉と言ったら蔵王でした。
周辺にはいろいろ温泉があったんでしょうけど、そんなに今みたいにいろいろなところへ行くなんていうこともなかった。そば屋だっていろんなところを食い歩くなんてあまりなかったじゃないですか。
大抵は近くのところから出前取ってという感じだった。だからラーメンは「みどり屋」だし、温泉は蔵王というふうにして、ずーっと大人になるまで・・・・。
伊藤 そうなんだ。
長岡 そうやって、やっぱり大人になるまで育ったのかな。山形を離れて帰ってきて今の仕事をするようになったのもひとつの要因としてはありますよね。こういう取材とかいうので、いろんな温泉を回らなきゃいけないというのもあったんでしょうけど、でも何か企画出せと言われると、必ず温泉ネタ出していた。
伊藤 そう無意識に。
長岡 好きだったんでしょうね。あと北海道にもだいぶ通った時期があって、家族で。その時もやぱり温泉ばかり回っていましたからね。
伊藤 ああ、いいですね。
長岡 温泉を回っていましたので、基本的にやっぱり屋外のこととか自然のことが好きなので、その一つのカテゴリーのなかに温泉に入るというのがあって、それが温泉好きになった理由ですね。