●温泉大好き人間
長岡信也 <コピーライター カメラマン>
伊藤博美 <フリーアナウンサー 温泉ソムリエ>
進行役/編集部
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黄金の湯?

長岡 日帰り温泉のおすすめのとこってどっかある?

伊藤 個人的には、庄内のアイアイひらた。

長岡 ああ、アイアイひらたもそうなのね。

伊藤 庄内まで。

長岡 素晴らしいね。いつも「いいね、いいね」ってなるもんね。二人でね、あそこは。

伊藤 元の平田町だったところの温泉施設で。

長岡 庄内平野の眺望もいいですし。

伊藤 月山・鳥海山も見えます。

長岡 お湯はすごいよね。

伊藤 はい。源泉温度自体は約三十度ぐらいで低いんです。なので加温して供給しているんですけど、全体的な成分量もとても濃いんですね。
そして蔵王とかの明らかに分かる硫黄臭とは違う複雑な濃い香りがするんですよ。

長岡 そうそう、そうね。

伊藤 ちょっと石油の混ざったような、なので蔵王とか内陸のほうにしか、内陸のこの辺の村山地域の温泉しか知らない人とかはびっくりすると思うんですけど。

長岡 そうだね、あえて近いところを言うとすれば、山辺かな。

伊藤 ああ、そうですね。あと匂いはちょっと「りんご温泉」もありかも。色は全然違いますけど。

長岡 色はね、もう美しいです。

編集部 どこの温泉が?

伊藤 アイアイひらたです。もう金色なんです。そこは造りもすごく良くて、待ち合いからの景色も、ガラスが大きいので庄内平野がバーンと一望できるんですね。

長岡 そう、金色です。秋田の方に元7号線を行くと、象潟のもうちょっと先に金浦っていう集落があるんですけど、そこのお湯とほんとにそっくりで、そっちも黄金の湯なんです。

編集部 金色の理由は?

伊藤 成分ですね。アイアイひらたはナトリウム塩化物強塩泉で、成分の濃さが三十万㎎/㎏以上と非常に濃厚な金色したにごり湯です。強塩泉のため鉄分が酸化して、そうなるようです。

長岡 田田(でんでん)でしょうね、庄内の。

伊藤 そうプンとくる匂いで、ちょっと内陸にはない。同じ塩分強いところというと、「百目鬼もでしょ?」って言う人いるんですけど、ちょっと百目鬼とも毛色が違う。

長岡 そう、毛色が違う。

伊藤 同じ塩分濃度が濃いといっても、中に入っている成分の組み合わせが違うので塩っけがあるっていう一括りではちょっとできないというか。
庄内はそれがたぶんあるような。田田もそうですね。成分濃度も二万三千なんぼって。

長岡 残留している分がね。

伊藤 けっこう濃い温泉です。

長岡 藤島温泉もけっこう濃いし。歴史はないけれども、歴史の重みみたいなものが泉質に感じられるのはその二つかな。