
街とその不確かな壁 (上)
十七歳と十六歳の夏の夕暮れ、きみは川べりに腰を下ろし、“街”について語り出す――それが物語の始まりだった。
高い壁と望楼に囲まれた遥か遠くの謎めいた街。
そこに“本当のきみ”がいるという。
〈古い夢〉が並ぶ図書館、石造りの三つの橋、針のない時計台、金雀児(えにしだ)の葉、角笛と金色の獣たち。
だが、その街では人々は影を持たない……村上春樹が封印してきた「物語」の扉が、いま開かれる。
新潮社
990円(税込)
2025年4月23日 発売
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P464 文庫判
ISBN 9784101001784
街とその不確かな壁 (下)
図書館のほの暗い館長室で、「私」は子易さんに問いかける。孤独や悲しみ、“街”や“影”について……。
そんなある日、「私」の前に不思議な少年があらわれる。
イエロー・サブマリンの絵のついたヨットパーカを着て、図書館のあらゆる本を読み尽くす少年。
彼は自ら描いた“街”の地図を携え、影を棄てて壁の内側に入りたいと言う――二つの世界を往還する物語がふたたび動き出す。
新潮社
935円(税込)
2025年4月23日 発売
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P432 文庫判
ISBN 9784101001791