1. HOME

interview

「本を売ることが楽しい。その気持ちが書店員に必要な要素です」

渋谷亜香里 Shibuya Akari

2021年4月新卒入社。山形市出身。八文字屋 泉店勤務。書籍担当。

入社のきっかけは

書店は本と人が出会える場所

就活では「山形の企業」とだけ決め、さまざまな業種を考えていました。そのときに八文字屋で、小説を“表紙買い”したんです。「この表紙がかわいいな」と思ったことがきっかけで、その本を購入。この突然の出会いってインターネットの書店ではできないことですよね。「本と人が出会える場所」。それを作るのが書店である。そう気づいたときに、この仕事に携わりたいと思ったんです。



仕事内容

“売れる本”のデータは常に集めています

現在私は、泉店で扱っている書籍の約半分のジャンルを担当しています。小説などの文芸書、歴史、宗教、政治などの人文書のほか美術、芸術、学習参考書も「書籍」の分野に入ります。店内の棚を作るところから、仕入れ、発注まですべて私の仕事です。新刊本の大まかな配本数は取次(本の卸業者)の方が決めてくださるのですが、こちらで指定することもありますし、売れ行きがいいものについては追加発注もします。毎日大量の新刊が入ってくるので、すべての本を読むことは難しい。ですから、日々データをしっかり見ることを大事にしています。出身地が宮城県の作家さんの本は確実に売れますし、舞台が宮城の作品も動きがいい。地元の新聞で取り上げられたことで、売れることもあります。本を売るためには、情報のアンテナをいろんなところに張る必要があると思っています。





仕事の魅力、やりがい

“本が好き”だけでは書店員は務まらない

自分が仕入れた本が売れる、手をかけた棚から本が売れていくときにやりがいを感じています。動きが悪いなと思っていた棚の配置換えをしたら、売れ行きが良くなったこともあって、うれしかったですね。接客ではお客様がお探しの本をお渡しすると、すごく喜んでもらえるんです。私は元々人と話すことが得意ではなかったのですが、接客をするようになって性格が明るくなったように感じます。お客様相手なので、うまくいかないこともあるんです。だけど感謝の言葉をいただいたり、目当ての本を手にして嬉しそうにされている姿を見ると、この仕事をしていてよかったと思えます。入社したとき先輩に「本が好きだってだけではダメだよ」と言われたのを覚えています。その意味が今は、とてもよくわかる気がするんです。ただ本が好きってだけでは書店員は続きません。書店員は本に囲まれて、本好きにとってパラダイスのようなイメージがあると思うんですが、実際はけっこう重労働。本が詰まって15kgぐらいあるダンボールを運ぶこともありますし、1日中問い合わせや接客で走り回ることも。本を売るための仕事は、なかなかにハードなんです。私も本好きではありますが、同時に「本が売れること」、「本と人が出会える場所を作ること」に仕事の意義を感じているので、乗り越えられていると思います。





これからの目標・挑戦したいこと

八文字屋を通して地域を盛り上げたい

今は泉店におりますが、子供の頃から八文字屋・本店に訪れることが多く、親しみがあります。その分、本店がある七日町の賑わいが失われていることに寂しさも感じていて。機会があれば七日町を盛り上げるために、八文字屋を通して何か力になれたらいいなと考えているんです。例えば、八文字屋大賞や独自の本の賞レースを作るのも楽しそうですよね。「八文字屋はおもしろいことしているな」と、お客様に思っていただけるような企画などを提案していきたいです。


ページトップに戻る